不倫なんて結局、好き嫌いでしかコメントできないジャンルである

みなさんこんにちは。すっかり秋めいてきましたね。
ところで最近、なんだか有名なセンセイの不倫疑惑が話題になってるみたいです。筆者はワイドショー見ないし他人様の下の話に興味がないのでよくはわかりませんけど、個人的に気になるのは、過去の議員不倫疑惑で高尚な道徳と納税者視点から厳しく批判しておられた意識高い系識者の皆さんが割と大人しい点です。

きっと皆さんお忙しいんでしょう。というわけで、筆者が各論者の心情を忖度しつつ、過去のコメント抜粋して一本の記事にまとめておきましょう。同種の問題なんだから同意見のはずですもんね。

【以下、架空戦記】

作家でタレントの室井佑月は、TOKYO MX「オトナの夜のワイドショー! バラいろダンディ」に出演。件の議員の話を振られ「むかつく」と一喝した。

室井は、覚醒剤取締法違反(所持)容疑で逮捕された元プロ野球選手の清原和博容疑者の事件を上げ「私、清原の話題よりむかつく」と始め、「税金で給与もらってる。私の財布からお金取って行ってるのに不倫している」「税金で身分も生活も保証しているんだから」と税金が無駄になっている行為だと訴えた。

また演出家のテリー伊藤は、先日放送のTBS系「ビビット」で、2人の釈明コメントについて「お互いがお互いをかばい合うような内容」とピシャリ。「一番足りないのは、相手の奥さんへの謝罪なんですよ」と指摘し、「たとえば松居一代さんがこれを見たら激怒しますよ。奥さんの立場から見たら『何をアンタたちかばい合ってるのよ。私の立場はどうなのよ』っていうふうに、松居一代さんだったらFAX破きますよ」と、泥沼離婚騒動渦中にある松居を引き合いに出して私見を述べた。

また、民進党時期幹事長候補の山尾志桜里議員も同番組にて某議員に対し「緩んでるんじゃないか。こっちがため息をつきたいよという感じです」とコメントした。


なお、漫画家の小林よしのりも自身のブログで某議員を痛烈に批判した。

政治家ならば「私」より「公」を優先すべきであること、
国民の税金で活動している身分であることなどを
考えれば、「政治家である前に女よ」という言動は
許されない。
不埒である!







あ、それから「自分は対象によって論評内容を変えるポジショントーク専門家なんだよ」とか「ていうかそれわたしです」という方はその旨ご連絡ください。即時削除いたします。



参照リンク
http://news.livedoor.com/article/detail/11167999/
https://www.nikkansports.com/entertainment/news/1863419.html
http://www.hochi.co.jp/entertainment/20170907-OHT1T50073.html
https://yoshinori-kobayashi.com/7185/






高齢者ってどうしてキレやすいの?と思った時に読む話

今週のメルマガの前半部の紹介です。
近年、「キレる高齢者」なるワードをしばしば耳にします。先日はこんな記事も話題になりました。

【参考リンク】高齢者がキレるのは「社会が冷遇するから」


筆者自身も、役所や銀行の窓口でよく分からない理由でキレまくっておられる高齢者を何回か見たことがあります。熱いお茶を頭からぶっかけられたとかならわからんでもないですが、どう考えてもそこまで怒るシチュエーションではなかったですね、はい。

どうして彼らはキレるんでしょうか。本当に社会が彼ら高齢者に冷たいからでしょうか。実は、そこには個人のキャリアが深く関係しているというのが筆者の見方です。


「キレる高齢者」になるリスクチェック

キレる高齢者なるものの正体が何なのかを説明する前に、とりあえず皆さんが切れる高齢者になるリスクがどれくらいあるのかチェックしてみましょう。お手元にペンとメモ用紙を準備した上で、以下のチェックポイントに該当するだけ〇を書いていってください。見栄はったってしょうがないので正直に書きましょうね。


 1.自分は頑張っているのに報われていないと思っている

 2.正直、今の仕事は好きではない

 3.自分の親と同じくらいには出世したいがどうも出来そうにない

 4.転勤や異動が数年おきにある

 5.残業を月平均60時間以上はしており、だいたい家に帰るのは21時過ぎである
 
 6.家に一人になれる場所がなく、休日は家にいるのが苦痛だ
 
 7.会社以外に友人がいない
 
 8.現在、これといって趣味がない

 9.平日は家族とほとんど会話をしない

 10.言いたいこと言えるのは匿名でやってるtwitter上だけである


キレる高齢者ニュースを聞くたび「また老人が暴れてるのか。ほんとしょうがない連中だな」と思っているあなた!

5つ以上該当していればあなたも立派なキレる高齢者予備軍です。このまま状況が変わらなければチーム・キレる老人ズの仲間入りしてもおかしくありません。

7つも該当してるよ!というあなた!あなたは既にキレる老人ズのドラフト3位くらいの有力候補と言っていいでしょう。そういうニュースを見るたびに「明日は我が身」と覚悟しておいてください。


まあ、まさか10個全部該当なんてつわものはいないですよね、いくらなんでもね……えぇっ!?10個全部該当しちゃってるって!? あなたは既に職場でいつもイラついてる危ないヤツと見られていて「名前を呼んではいけない“あの人”」とか「twitter課長」なんてあだ名を陰でこっそりつけられていることでしょう。

さて、結論から言うと、キレる老人なるものの正体は、そのキャリアにおいて常に一定の不満を抱え込んだままきてしまい、かつ、それを発散させうる場所も老後に持ち越せなかった人たちです。そして、その兆候は現役時代の働きぶり暮らしぶりを見れば、ある程度は見て取れるものです。


以降、
切れる高齢者が増えたワケ
キレない高齢者になるためには






※詳細はメルマガにて(夜間飛行)









Q:「絶対潰れないけど成長もない原発業界から転職すべきでしょうか?」
→A:「筆者なら迷わず……」



Q:「残業制限のおかげで大幅な給料ダウンになりました…」
→A:「ボーナスへの成果分の上乗せを増やす仕組みを早急に導入すべきです」








雇用ニュースの深層

イオンやイケアが日銀ガン無視でまた値下げ


黒田総裁に喧嘩を売るがごとくイオンやイケアが値下げに踏み切っています。まあ当然ですね、筆者の知る限りでも、従業員の賃金や商品価格を決める際に日銀の政策スタンスなんて考えてる会社は聞いたことがありませんから。



年功で政治家を選んではいけないワケ

民進党唯一の功績は北朝鮮情勢緊迫化の前に稲田さんを降板させたことでしょう。



他。






Q&Aも受付中、登録は以下から。

・夜間飛行(金曜配信予定)








書評「仕事消滅」




「AIで仕事が消える」という話はあちこちで耳にするけれども、具体的にどういう仕事がどういう具合に消えていくのかを具体的にイメージしている人は多くはないだろう。なんとなく、かつて90年代にITの普及で事務作業が効率化したごとくに、単純な作業から置き換えが進んでいくシーンをイメージしている人が少なくないはず。

そう言った人たちに、本書はなかなか衝撃的な現実を、しかも非常に分かりやすく説明してくれる。

本書では、AIを搭載したロボットの普及により「20年以内に日本では49%の仕事が消失する可能性がある」とするオックスフォード大の論文をベースに議論が進められる。※

以下は、印象に残ったポイントだ。

知的作業から先に置き換えられていく

ロボットの開発は「足・脳・腕・顔・手の指」の5要素がパラレルで進められているが、実際にはおそらく「足→脳→腕→顔→指」の順で開発が進んでいくことになる。囲碁で人類を打ち負かした囲碁AI「AlphaGo」を見ても明らかなように、脳は比較的簡単な方であり、ファンドマネージャーやトレーダー、パラリーガルや外来医師といった職業は実は真っ先に置き換えられる可能性が高い。

逆にもっとも開発難易度の高いのは繊細な指の動きで、そういう意味では最後まで確実に人類の仕事として残るのは繊細な指使いの要求されるパティシエや寿司職人だろう。ハンバーガーの厨房も、なんだかんだ言ってそこらのホワイトカラー職なんかよりはよっぽど長く残るはず。同じ理由で、長距離トラックやタクシーのドライバーは最短で置き換えられるだろうが、アポを取って荷物を抱えてマンションを上り下りする運送業は、しばらくは人間の職として残されるだろう。

科学者やクリエイターも危ない

なんとなく「科学者やクリエイターは才能の塊だから、最後まで人間様の仕事として安泰だろう」と多くの人が考えているのではないか(筆者もそうだった!)。でも、それは違う。アーティストとと呼ばれる人たちのほとんどは、過去の作品のインスパイアを蓄積した上で自らの作品を生み出しているものだ。科学者の多くも過去の論文を読破した上でその積み重ねの中から自らの論文を組み立てる。

そうした「過去のデータベースからの蓄積と分析」は、実はAIの最も得意な分野である。毎日世界の主要紙に目を通し、古今東西の論文をすべて記憶しているAIに、人間の学者は勝てるのだろうか。著者は2030年代以降、フィールズ賞やノーベル物理学賞といった賞はAIしか受賞できなくなる可能性もあるとする。

ただし、アーティストに関しては既に過半数のアーティストがプロデューサーの作った作品のイメージに合わせて選ばれているわけで、置き換えられるのはアーティストではなく秋元康の方かもしれない。先日、著者から聞いた話では、既に某アイドルグループの一部の曲はAIが作っているという!

余談だが、Jpopのヒット曲に一定の法則が見られるというのは既に一部の人から指摘されている事実だ。





“逆年功序列”が組織内に出現する

同じことはビジネスの現場でも起こる。基本的に過去のノウハウや集積したデータの判断という作業から置き換えが進むので、中間管理職ほど価値が無くなり足を使って現場で動く若手ほど価値が高くなる。なので、40代以降は常に失職危機や賃下げ圧力が加わることになる。

労働組合が反対するからそうはならないって?まあ反対するだろうけど、無慈悲にリストラする海外勢とガチンコで競争せねばならない以上、いくら連合が泣き叫ぼうがものすごい賃下げ圧力はかかるだろう。その場合、筆者の予想だと「形がい化した年功序列を維持するために20~30代の昇給がめちゃくちゃ抑制されて、しかも40歳過ぎで頭打ちになり、失業率低いけどまったく消費が振るわないジリジリ衰退する社会」が出現するんじゃないか。あ、でもそれってまさに今の日本のような……

1%に富が集中する

たとえ生き残る51%の側に回れたとしても、確実に中流層は没落する。付加価値の低い仕事しか与えられず、膨大な失業者の社会保障給付を負担せねばならないからだ。唯一豊かになれるのは、ロボットへの置き換えのメリットを享受できる大口の株主などの資産階級だけとなる。文字通り1%に富が集中する社会だ。富裕層のさらなる富裕化と中流層の衰退は先進国共通の現象であり、これまではグローバリゼーションの文脈で語られることが多かったが、20年後には「あれは実はロボットによる置き換えの端緒だった」と振り返られるようになるやもしれない。

恐らく、上位1%に重点的に課税して再分配を徹底する左派政権に期待する人もいるだろうが、著者によればそれも期待薄だという。なぜか。旧ソ連や中国を見ても明らかなように、強大な権力を握って平等な社会を実現しようとする政府は、必ず自由主義経済よりも腐敗し、深刻な格差大国になるからだ。要は1%の金持ちが肥え太るか、1%の独裁政権関係者が肥え太るのかの違いでしかない。

「ロボットに給料を払う」ことが鍵

そうしたディストピアをユートピアに変えるための処方箋はあるのか。本書の提言するのは「ロボットに給料を払うよう義務付けること」だ。広義のロボット税(ビル・ゲイツも提言している)のようなものだが、本書の場合はロボット利用権を国に帰属させた上で、利用料を国に支払い、それを全額、国民一人一人にBIのように分割支給するというものだ。

この政策には3つのメリットがある。まず、ロボットに給料を払わせることで、一方的な人からロボットへの置き換えに一定の歯止めをかけることができること。そして、本当にきつい仕事はロボットへ、そうでない仕事は人へと、住み分けによる労働環境の向上が図られること。最後に、ロボットの労働市場への参加で中流層の生活が下支えされることだ。

たとえば失業率が10%程度に上昇したとしても、社会から消えた仕事が3Kと呼ばれるようなキツイ仕事中心であり、中流層には一律で一人5万円ほどのBIが支給される社会を想像してみて欲しい。それはけして恐れるような未来ではないはず。

もちろん、既に導入されている産業用ロボットとの兼ね合いも別途考えねばならないし、世界で足並みをそろえて同じような法律を導入する必要もあるが、恐らくはこうした置き換えコストの導入こそが、人とロボットの共存していく唯一の道だろう。





※ただし、この論文は4年前のものであり、著者によるとAI技術の進化スピードを考慮すれば消える仕事の割合はさらに高まっている可能性があるという。

民進党は使い物になるリベラルを目指せ

先日、ご存じのとおり北朝鮮のミサイルが日本列島を飛び越して大騒ぎになったばかり。
それを受けた国内のリアクションをつらつら観察しているのだが、まあ予想通りと言うかなんというか、リベラル界隈のそれがひどい体たらくである。

【参考】
simadabaka













「金出して何とかしろ」って、それ韓国がやった太陽政策でむしろ核開発進んじゃった結果がコレなんじゃないかと。というかテロリスト国家に金払うなんて国際的に許されないだろう。韓国人もブチ切れるぞ。

どうして普通に安全保障を合理的に考えるという行為がこの界隈の人たちに出来ないのか筆者はとても不思議に思う。

いや、安全保障だけではない。筆者がこれまで遭遇してきた“リベラル”な面々の主張は、だいたい以下のようなものだ。

・経済政策について

「企業に正社員化を義務付け、定年まで面倒見させる」
「長時間残業は禁止する。残業代減った分は法律で賃上げを義務付ける」


・年一兆円伸び続ける社会保障給付の財源について

「企業の内部留保を吐き出させる(=企業を解体してなぜか従業員で分配!)」

で「安全保障は憲法9条さえ持っとけばOK!」でしょ?
とてもじゃないけどマトモな若い人はこんなの支持できないでしょ(笑)
若年層が右傾化したんじゃなくて、リベラルがポンコツすぎてお話にならないというのが実情だろう。筆者はむしろ、支持しようにもマトモなリベラルが不在な今の状況は、若い世代にとっても日本にとっても不幸なことだと思う。左右がバランスをとってこそ実のある議論が行われるものだからだ。

【参考リンク】安倍内閣の支持率は「若高老低」

そういう意味では、(さっぱり盛り上がってないけれど)民進党代表選は、新しいリベラル的な価値観を打ち出せるかどうか、に注目したいと思う。ポンコツリベラルの親分みたいな共産党と共闘とか言ってる人達は全部切って、中身のある提言が出せる人たちを中心にまとまれば、時間はかかるだろうが本当の意味の受け皿になれるかもしれない。

実はその兆しは既にあって、社会保障を企業に丸投げするのではなく、年齢や雇用形態によらずユニバーサルな形で国が提供し、財源としては消費税も含めた増税でまかなうという考えが、民進党の中で支持を得つつある。「きちんと財源を確保した上で間口の広い大きな政府を作る」というのは、筆者は本来のリベラルとしては正しいと思う。

【参考リンク】窮地の民進党で「分配政策」を軸に求心力が働き始めた

その上で合理的な安全保障政策も前原さんあたりが中心となってまとめれば、ポンコツリベラルとは一線を画した「使えるリベラル」が出来るんじゃないか。民進党が意味のある政党になるには、恐らくそれが唯一の道だろう。








ソニー創業者・盛田昭夫が56年前に予測していた日本の未来

今週のメルマガの前半部の紹介です。
先週、お仕事で文藝春秋の56年前の記事に目を通したのですが、それが想像以上に本質をついたものであり、なおかつ半世紀経った現在の日本にも当てはまる内容で驚かされました(まあ悪く言えばそれだけ日本が進歩してないということですが……)。

【参考リンク】ソニー創業者・盛田昭夫が56年前に書いた「新・サラリーマンのすすめ」

伝説の創業者は終身雇用の本質をどう読み、未来に何を見出していたのでしょうか。個人のキャリアを考える上でも示唆に富む内容なので取り上げておきましょう。


盛田昭夫がすばり見抜いていた日本社会の特徴

まず、なんといっても目を引くのは、1961年の学生の安定志向ぶりです。

いまは就職の売手相場である。証券会社に入社を断わりにきた連中は、きっと二股も三股もかけていたにちがいない。連中は売手の権利を行使してサラリーの悪くなりそうな会社を敬遠し、少しよさそうなところに鞍替えしたわけなのだろう。(中略)つまるところは、とるにもたらぬような気分的な理由で、きめてしまう。たとえば「寄らば大樹の蔭」というわけで、できるだけ大会社をえらぶのだ。


最近は学生の大企業志向や終身雇用志向が話題となり「草食化でリスクを取らなくなったのだ」とかなんとか言われることが多いですが、今の70代もまんま同じようなこと言われていたわけですね。余談ですが、筆者は最近、実は日本人というのはずっと一貫して「リスクを回避する」という生き方をしてきたんじゃないか、という気がしています。

というと「戦国時代や大戦中はどうなんだ」と言う人がいそうですが、室町幕府が崩壊して無政府状態になったら誰だって生き残るために武装するしかないし、戦前みたいなガチガチのムラ社会型全体主義の社会で「戦争反対!」なんて叫ぶ方がリスクなわけです。戦後は「大きな組織に入ること」がもっとも低リスクな生き方だったというだけの話でしょう。まあそれももうすぐ終わりそうですが。

それから、氏の日米労働市場の違いに関する考察も秀逸です。「米国は給与体系が職務ベースで決まる職務給で、流動的な労働市場から人材を適時調達してあたかもブロックのように組織をくみ上げる」というのはその通りです。流動的で職務に関して賃金が支払われるため契約関係が明確であり、そこに“ブラック企業”的な要素など入り込む余地はありません。

かたや、日本は「本人が刑法にふれる犯罪でも犯さないかぎり、クビにならない」社会であり、給与も年功序列の属人給です。「〇〇の仕事をやるから給料〇〇万円」という契約ではなく、人生を預けて何でもする代わりに面倒を見てもらうという一種の身分制度みたいなものですね。ブラック企業的なものは、すべてこの明文化されていない空気みたいな身分制度から発生しているわけです。過労死とかブラック企業を無くしたかったら解雇規制緩和して労働市場を流動化する以外にありません。

さて、日米のギャップを指摘したうえで、氏は終身雇用制度の深刻な欠陥についても言及しています。仕事内容で就職先を選んだわけではない以上、若手の頃は一生懸命頑張っても、中高年になり出世の白黒が見えてきたころからすっかりモチベーションを失い、ただ無難に日々を暮らすサラリーマンに落ち着いてしまう、という点です。

これはまさに日本企業が直面する人事面での最大の課題でもあります。90年代までも幹部候補選抜が終了して「出世の芽が無くなってやる気のなくなった40代以上」はいるにはいましたけどそこまで多くは無くて「〇〇くんもしょうがないなあアッハッハ」で笑って済ませられるレベルでした。でも日本企業は高齢化がどんどん進んでいまや大手はどこも平均年齢は40代。しかも組織のフラット化で過半数がヒラの状態です。そう、「やる気のない中高年」はいまや社内の最大勢力と言っても過言ではないのです。

で、彼らは別に生産性上げるでもなく足で稼ぐでもなく「ホワイトカラーエグゼンプション反対!金銭解雇反対!」とかいって日がな一日SNSでダベってるのようなどうしようもないのが多いわけです。そういう意味では、まだまだ働き盛りの40~50代をそうやってデッドストック化しているという意味で、やる気のない中高年を量産してしまう終身雇用制度は社会全体に危機をもたらしているとも言えるでしょう。

一方で、盛田氏はそうした終身雇用の欠点は認めつつも、そうした弱みをいかに長所に転じるべきかと言う処方箋もあわせて提示しています。

日本はポテンシャルベースで採用されたデコボコな人材が入社してきます。実際に職場に配属してみないと何がどれだけできるのかは誰にもわかりませんし、本人も何がやりたいのか空っぽのままです。これではアメリカのようにブロック型組織を組み立てることは難しいように思えます。

でも、日本には、雑多な形の石をくみ上げて強固な土台となす“石垣”という技術があります。だから同じことを人でやればいい。上司が部下の適材適所を判断し、状況に応じて適時仕事を割り振ることで、ブロックよりも強固な石垣型組織を作ればいい、そうすればゆくゆくは自分の仕事に誇りを持つ本当のプロフェッショナルにも進化してくれるだろう、というのが、氏の処方箋です。

これは実際に、その後の日本企業におけるマネジメントの基本となりました。配属されるまで実際に何を担当することになるのかよく分からん新卒一括採用、突然別部門に異動になるジョブローテーションetc…… そういう曖昧なキャリアパスを通じて引き出しの多いゼネラリストを育て、長く組織を支える人材を育てることがその後の日本企業において一般的なアプローチになり、いまに至るわけです。

「石の上にも三年。まずは組織に入って働く中で天職を見つけろ」的な価値観はこうして形成されていったわけですね。







以降、
盛田氏の誤算
ポスト“石垣時代”の新サラリーマン







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)








Q:「内々定ブルーです。処方箋はありますか?」
→A:「普通の人は社会人になった後で志望先がガラリと変わるもんです」



Q:「終身雇用が形がい化する中、社内労組の意義とは何でしょうか?」
→A:「終身雇用のためにガマンしてきた諸々をガチンコで交渉することになるでしょう」









雇用ニュースの深層

残業規制で所得最大8.5兆円減の衝撃

でも時間じゃなく成果で支払う制度を断っちゃったからしょうがないですね。みんなもっともっと倹約しませう。欲しがりません勝つまでは。


良いリフレ派→アベノミクス再起動に労働市場流動化が不可欠
悪いリフレ派→か、株価上がってるから失敗してないし



「実は労働市場流動化が鍵なんですよ」と後出しで言いだす分にはウェルカムです。





Q&Aも受付中、登録は以下から。

・夜間飛行(金曜配信予定)













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「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話


若者を殺すのは誰か?


7割は課長にさえなれません


世代間格差ってなんだ


たった1%の賃下げが99%を幸せにする


3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代


若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
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城繁幸
コンサルタント及び執筆。 仕事紹介と日々の雑感。 個別の連絡は以下まで。
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