月刊Voice 4月号


『労働組合不要論』寄稿。

最近気づいたのだが、規制緩和を主張すると、たいてい趣旨に賛同は得られる。
ロジックで語られれば、普通の人ならメリットを理解できるから。
ただし、そうはいっても
「経営者の思う壺で、みんな揃ってワーキングプアになるのではないか?」
という不安を述べる人が多いのも事実。

今回の論は、そんな心配いらないよというテーマが中心だ。
結構、見る人によっては衝撃的な内容かもしれない。
特に労組の人なんか(笑)

法学と経済学

先週のダイヤにちょっと興味深い記事。
製造業派遣の再規制について、再規制にのりのりの厚労省にストップをかけたのは
経産省とのこと。
要するに
「派遣さんかわいそう。だから派遣なんてこの世から無くしてしまえばいいのよ!」
という夢見る乙女チックな厚労省と
「おいおい雇用減らしてどうするよ」という大人な経産省という構図。
政権交代したら「労働再規制」なんてお馬鹿なことやらかしそうで心配していたが
経産省が睨みを利かせてくれているようなので一安心か。

興味深いのは、厚労省と経産省、両者の価値観の違いだ。
前者は基本的に法をベースに白黒つけようとし、規制で管轄分野をコントロールする
ことを目指す。この不況時に、労働規制を強化しようとする姿勢が典型だ。
一方の経産省は生ものの実体経済を相手にしているだけに、より柔軟で自由主義的な
価値観を持っている(まあ霞ヶ関の中では、という意味で)。
こっちのベースは経済学だ。

この「法学vs経済学」という対立構図は、雇用に限らず以前から存在するもので、
最近だと貸し金業者の規制問題が有名だ。
雇用に関する論点の違いは、このあたりの本に詳しいが、こういうのを読むと
両者の違いはもはや遺伝子レベルと言っていい。

どちらが良い悪いというのは一概に言えるものではないが、法学というのは
(当たり前の話だが)保守が信条なので、変革期にはどうしても対症療法の連発に
陥りがちだ。そして多くの場合、それはより状況を悪化させることになる。
昭和と言う時代が終わり、輸出型というビジネスモデルも終わりそうな今、柔軟な
商売の視点が必要だと思うのは僕だけだろうか。

議員事務所はブラック

小沢さんが大変なことになっている。
しかし、なぜ民主党は調子が良い時に限ってこういう流れになっちゃうんだろうか。
前も行け行けどんどんの真っ最中に「辞任会見」なんてやってた気がするが。
個人的には自民にも民主にもこだわりはないので、まあ頑張ってください。

ところで、個人的に興味深いのがこっちのニュース。
世の中には、いわゆるブラック企業と呼ばれるような待遇条件の悪い企業がある。
休暇が取れない、サービス残業を強要されるなんて序の口で、
求人内容と賃金が違っていたり、社会保険無かったり…

と、まあいろいろひどい会社が世の中にはあるのだが、
個人的に一番ひどいのは議員スタッフではないかと常々感じていた。
サビ残とか労基法無視とか当たり前の世界らしい。

で、なんで問題にならないかというと、与野党問わず見られる普遍的な現象らしく
お互いに追求するインセンティブがわかないらしい(笑)
それどころか、むしろ野党のほうが金欠でひどいという話も聞く。

まあ、議員事務所なんて半分徒弟制度みたいなものなので、修行という覚悟のある人
なら気にならないんだろうが、普通の人にとってはまさにブラック企業だろう。

Domani 4月号


特集「80s生まれ後輩の乗せ方 正し方」
インタビュー掲載中

残業禁止で困るのは…

残業時間の落ち込みが激しい
周囲にも、残業禁止令の出された企業は多い。
裁量労働制のヤツだとむしろ喜んでるくらいだが、時給制の若手は結構きついとのこと。
そりゃそうだ。ある程度の残業代をカウントしないと、初任給から大きく上離れ
していない若手はやっていけないはずだから。

考えてみれば、一定の残業を前提とした賃金体系と言うのも妙なものだ。
本来であれば、職務の範囲を決め、それに対して対価と労働時間を契約するのが
本筋だろう。

そういう職務の基準さえあれば、仕事が多すぎれば人を増やし、仕事が減れば
ワークシェアなりリストラなりで調整出来るのだ。
「残業しないと、若手は生きていけません」なんて不思議な現象は起きないし
もちろん正規と非正規の格差問題だってここまでひどくはないだろう。

これから先、日本型雇用がいよいよ崩れるはずだ。
それにともなって様々な矛盾が噴き出して来るだろう。
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城繁幸
コンサルタント及び執筆。 仕事紹介と日々の雑感。 個別の連絡は以下まで。
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