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『特集 内定取り消し』
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出版工船


先日、こんなニュースがあった。手抜き作業のツケを誰が払うか、という話だ。
この会社とお付き合いはないので、以下は一般論。

いつも言っているように、労働条件を見直すのはとてつもなく骨が折れる作業であり
通常の企業では難しい。
これは、中小企業しかいない出版業界もそう。
ただ、売上自体はどこも下がっているから、どこかで誰かにしわ寄せしないといけない。
そこでポピュラーなのが、編集プロダクションに一山いくらで丸投げする方法だ。
これなら、現時点で払える原資をベースに契約を組めるから、柔軟な設定が可能だし
新規に人員を採用して固定費化するリスクもない。

ただ、正社員と請負代金の間で競争原理が働くわけではないから
労働対価には生産性を超えた決定的な格差が生じてしまう。

1000万円貰っている20代の社員と、300万円で仕事掛け持ち、3連徹夜
なんて人が作った本が、同じ出版社名で並んでいるわけだ。

職務給だとありえない話だが、日本は職能給の国なのでこういう困ったことになる。
一時期、メディアは鬼の首でもとったように大手メーカーの偽装請負を叩いていたが
僕の知る限り、少なくともメーカーではここまでの格差は生じていない。
工場で事実上の指揮命令下においたのは法律的に問題があったのは事実だが
オフィスすら与えずに丸投げして後はしらんぷりという方が倫理的には悪質な
気がするのは僕だけか。

まあ、編プロというのは昔からそういうサバイバルな仕事だし、そこから叩き上げて
出版社に転職したり、起業したりする人もいるので、キャリアパス的には悪い話
ではないのかもしれない。

最近は新聞社系の出版物も丸投げが目に付く。
軒先を貸してショバ代とっているようなもので、しかもいらなくなったらいつでも
叩き出せるから、これほど会社と労組にとって便利な存在はない。

よく週刊誌などで過酷な労働現場のルポみたいなのやっていて、
「そんなの中小の編プロ取材すれば良いじゃん」と思っていたのだが
いつだったか某誌で本当に取り上げてるのには笑った。
多分、編集者がバカで上記の階級構造を理解してないか、
編集者自体がフリーランスで、階級闘争の一環として
取り上げたかのどちらかだろう。


某政党もいい加減、いもしない資本階級なんて忘れて、今そこにある階級に
向き合うべきだ。



雇用大崩壊

雇用大崩壊―失業率10%時代の到来 (生活人新書)
田中 秀臣
日本放送出版協会

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自分が参加しといてなんではあるが、こっちの方が良くまとまっている。

タイトルには雇用が入っているが、過半を経済政策が占める。
その理由は後半明らかになる。
著者の一番の雇用対策は、ズバリ経済成長そのものだからだ。
だからまずデフレを退治しろ、そしてそのためには…と続くわけだ。

経済政策部分についてはここでは触れないが、雇用については若干、僕とは意見が違う。
確かに、好況で新たにフリーターに進む人間が減ったのも、正社員の椅子自体が増えたのも
事実ではある。もっともっと好況に持ち込めれば、もっともっと椅子は増えるのだろう。

ただ、人事的な視点から言わせて貰うと、
それでもやはり一度でも非正規雇用の道に進んだ人間は、
正社員としては採られないと思う。

成長率が80年代のように5%近くにまで達しても、国がいくら再就職訓練にお金をつぎ込んでも
少なくとも組織化された労組があって賃金表が作成されていて毎年労使交渉やっているような
会社なら、採用はしないと思う。

そういうことのない中小企業であれば、熱意さえあればいくらでも正社員にはなれる。
ただ、それが氷河期世代全体への救済かと言われれば、僕は違うと思う。

そしてとても肝心なこと。
経済成長のためにこそ、むしろ流動化は必要であるという現実だ。
企業内で流動化を進め、一定の新陳代謝を促すことなしに、新しいビジネスモデル
も製品も出てはこない。現状の枠組みで追求できるものは、より安い部品を台湾から
買いましょうとか、もっと派遣社員を増やしましょうとか、その手のコストカット作戦だけ。
それはイノベーションではなく、中国人やインド人とガチンコで殴りあう道である。
中川秀直氏にしても正社員既得権の見直しは認めているのだから、上げ潮の論理と矛盾
するものでもないはずだ。

と、いう点で違和感は残るが、「労働再規制は状況を悪化させるだけ」など、
まっとうな意見も多く、けして変な本ではない。一本道で読みやすいし。
こういう考え方もあるという理解のためにも一読の価値はある。

裸の方がまだ…

思わず笑ってしまったニュース。

コレは鳩山さん的には許せるのだろうか?

確かに並んでるところを見ると、不思議と違和感がないけれど。
なんというか、すごくお役所仕事って感じだ。

書評@週刊現代



週刊現代に新刊の1p書評が掲載されている。
ダイヤはわかるが、現代とはちょっとびっくり。

新書と違い、経済系出版社の単行本は数が出るものではないので
普通、あまり一般誌には取り上げられない。
それだけキーワードの一つである“閉塞感”が広く共有されているということかも。

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城繁幸
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