第3回 NPO全世代フォーラム登壇のお知らせ

11月19日(土)13時より、以下のシンポジウムに登壇予定なのでお知らせ。


第3回 NPO全世代フォーラム 【共催:早稲田大学アジア太平洋研究センター】
日本を解き放つ、3つのトリガー
〜停滞を打破すれば、日本は必ず動き出す〜



数日前になるけどまだお題を詰めてなかったりリンク先の詳細が404になってたりと
かなりドタバタなんですけどこういう時に限ってすんごい面白くなるので期待大だね。

特にがっついた早稲田パーソンは必見!



以下のクラウドファンディングもご参考までに。
【待機児童問題】クラウドファンディング開始のお知らせ


なぜ日本人はやりがいもないのに長時間労働で低賃金な仕事を我慢するのか

今週のメルマガの前半部の紹介です。先日、こんな国際比較が話題となりました。

日本のソフト技術者、労働時間は最も長く、やりがいは最下位 国際比較


まとめると「日本人労働者は相対的に労働時間が長く、賃金は低く、仕事にやりがいを感じていない」ということです。ソフトエンジニアに限らず、国際的に見た日本人の長時間労働や低生産性、仕事嫌いは割と有名な話ですが、こうして全部並べて比較されるとなかなか壮観です。

普通、仕事はきついけど高賃金とかやりがいはあるとか、なにかしら一つくらい売りがあるものですけど、全部負けてるってある意味で凄いですね。なんだか昔の共産圏みたいです。

なぜ、日本の労働環境は長所が一つもないんでしょうか。そして、現状の枠組みの中でそれらを改善する余地はないのでしょうか。キャリアを考える上で非常に重要なポイントなので、まとめておきましょう。


“三無い職場”の作り方

筆者は以前から(長時間残業が慢性化しており)時間的余裕がない、給料も高くない、やりがいもない、というような職場を“三無い職場”と呼んでいます。なぜこんな職場が先進国の日本に存在しているんでしょうか。

ここは発想を変えて、人を採用する企業の立場になって考えるとわかりやすいです。あなたが新しく作った会社の人事部長だとしましょう。日本の法律判例を守りつつ、これから新たに人を雇って会社を回していかないといけません。

さて、とりあえず日本には終身雇用という暗黙のルールがあり、一度人を雇うと会社が倒産寸前に追い込まれるまで解雇は難しいという現実があります(ちなみに一度倒産したJALはその時クビにした従業員と最高裁まで争ってるので、大手だと倒産しても解雇はダメ、となる可能性すらあります)。

なので、あなたは会社を回すのに最低限必要な人数をさらに下回るくらいの採用数に抑えておく必要があります。たとえば従業員100人必要な仕事量なら採用数70人くらいのイメージです。そして、労働力の不足分は残業で対応することになります。そうしておけば、多少暇になっても残業減らすだけで調整できるので雇用は守れるわけです。

国も36協定という抜け穴を作ってくれているので、労組と協定結んで月150時間くらい残業可能なようにしておけば問題ありませんね。労組も自分たちの雇用を守るためなので喜んで協力してくれるでしょう。余談ですけど、ちょうど先日、電通に強制捜査が入ったことが話題となりましたが、あれはこうした手続きに不備があった点が問題視されているだけであって、長時間労働時間そのものが問題視されているわけではないので安心してください。

次に賃金ですが、以下の2つの理由から出来るだけ低い水準に抑えておく必要があります。まず、65歳までという超長期間の雇用を保証するため、それまでに起こり得るリスクを織り込んでおく必要があります。具体的に言うと、二度や三度くらいの経営危機はあるでしょうけど、そうなっても毎月給料支払えるだけの水準をキープしておくわけです。

2つ目の理由は、時給で払わないといけないから、です。販売員や工場の製造ラインと違い、ホワイトカラーは労働時間に応じて成果が上がるわけではありません。実際、明るいうちはくっちゃべったりSNSやりまくった挙句「夕方から本気出す」みたいなオジサンは掃いて捨てるほどいます。そういう人にもきっちり残業代を支払ってあげるために、あなたがすべきことはただ一つ。基本給をうんと低く抑えておくことですね。要はトータルでの人件費を一定に維持するわけです。

余談ですけど、最近、政権が企業に賃上げしろしろうるさく言ってますが、65歳雇用義務化や社会保険料の引き上げをさんざんやっといて(実質的に人件費は大幅に上がってるのに)これ以上は上がるわけないだろうというのが労使の本音ですね。まあそれ言っちゃうと「じゃあ解雇規制緩和したら賃金上がるんだね?」と返されるので連合なんかは口が裂けても言いませんけど。

最後に、やりがいについて。会社内には内勤から営業、企画までいろいろな職種が存在します。それぞれに秀でた人材を必要に応じて労働市場からリクルートしてくるのが最も合理的ですが、残念ながら終身雇用のわが国ではそういうキャッチ&リリース方式は実現困難です。

そこで、社内の余ってる人を人手不足の現場にローテーションすることで対応するしかありません。「私はかくかくしかじかの仕事がしたいです」って言ってる奴の話をガン無視して会社都合でがんがん使いまわすわけです。もちろん全国転勤もセットです。

まとめると、あなたが会社を回すためにしなければならないこととは、一定の残業を前提に必要最小限の人員を確保しつつ、基本給は出来るだけ低く抑え、将棋の駒のごとくぽんぽんローテーションさせて使い倒すことです。新卒一括採用で自社特化型人材にじっくり育てると、逃げられにくいから定着率もばっちりです。

というわけで、あなたの作った会社は一見すると奇妙に安定して見えますけど、匿名でアンケートでもとってみるとボロ糞に書かれる立派な“三無い職場”と化していることでしょう。



以降、
本来、効率的な働き方と高給とやりがいは矛盾しない
現状の枠組みで3兎を追求するテクニック



※詳細はメルマガにて(夜間飛行)







Q:「TOEIC導入の本当の狙いって年功序列の見直しでは?」
→A:「まあ上がり待ちの人をあぶりだすリトマス紙的な意味はありますね」



Q:「この際、電通にはきついペナルティを与えるべきでは?」
→A:「別に電通社長をムショにぶち込んでもいいですけど、状況は何にも変わらない、というかむしろ悪化すると思います」







雇用ニュースの深層

過労死に対する労組の本音

「人より雇用を守る」システムから「雇用より人を守る」システムに移行してしまうと労組のオッチャン的にはとても困るわけです。



テレワークがいまいち浸透しないわけ

タブレットやセキュリティより重要なのは、成果で評価する評価制度と、それを賃金に反映させる賃金制度です。








Q&Aも受付中、登録は以下から。

・夜間飛行(金曜配信予定)










国が“氷河期世代”をなんとかしようと言い出した時に読む話

今週のメルマガの前半部の紹介です。先日、こんなニュースが話題となりました。

厚労省、氷河期世代の正社員化後押し 企業に助成金

従来もトライアル雇用制度やジョブカード制度といった非正規雇用の正社員化支援制度はいくつかありましたが、特定の世代を全国レベルで支援というのは恐らく初の試みだと思われます。

とりあえずその世代にしわ寄せがいってしまっている事実を認めたという点で評価してもいいんじゃないでしょうか。10年くらい前には「ロスジェネなんて幻想、単に本人たちの努力不足なだけ」なんて言っちゃってる人も結構いましたからね。

ただ、いまや40代となった彼らを正社員に押し上げるのは、そうたやすいことではないでしょう。むしろ、無理に正社員にこだわることで人生の選択肢が狭まることにもなりかねません。というわけで今回は、ムリヤリな正社員化で何が起こるか、そして個人で生き残るために何をなすべきかをまとめましょう。

氷河期世代の正社員化で起きること

まず、日本の労働環境のおさらいをしておきましょう。筆者が常々言っているように、日本の労働市場というのは文字通りの終身雇用・年功序列が保証される2階と、そういうのは名ばかりの1階からなる二階建て構造となっています。2階は大企業や公務員、1階は中小零細企業が中心です。

終身雇用なんかは2階にしかないわけですが、当然ながら両者には共通ルールが適用されるわけで、いろいろとおかしなことになっています。たとえば終身雇用を守らせるために(調整手段として)残業青天井が認められているわけですが、1階からすればメリットなんてないのに青天井で働かされるわけです。あと、終身雇用だから金銭解雇ルールなんて明文化されてないわけですが、逆に言うと1階からすればロクな金銭保証もなしにクビになったりするわけです。

さて、2階と1階のもっとも大きな違いは何かというと、定着率です。たとえば電通みたいな我が国が世界に誇る超優良企業だと「取り組んだら放すな、殺されても放すな」レベルの殿様マネジメントでも耐えるメリットは大きいので社員は歯を食いしばって耐えてくれます。なので2階の定着率はとても高く、新卒だと3年内離職率はだいたい10%くらいです。

一方、これが1階だとそんな無茶ぶりされたら我慢するメリットなんてないから従業員はさくっと逃げ出します。「俺たちの若いころはワンオペなんて普通だったぞ」と言って殿様マネジメントしようとしたら従業員が大量流出して営業自粛に追い込まれたすき家なんかが典型です。業種にもよりますけど新規採用者が1年で半分辞めるような企業は1階では珍しくないですね。

この辺の構造的事情がよくわかってない人には電通の鬼十則なんかを本気で有難がっちゃう痛い人もいますが、同社はマネジメントのレベル的にはすき家と同じレベルですね、はい。

さて、こうした構造を踏まえた上で政府が金ジャブジャブ突っ込んで正社員化を後押しすると何が起こるでしょうか。それは以下の3点です。

1. 離職率の高い1階の企業に金がジャブジャブ流れる

筆者の感覚で言うと、残念ながら2階の企業が氷河期世代を新たに正社員として雇用することは考えづらいです。年功賃金がかっちり機能していて年齢に見合わない職歴の人は採用したがらないためです。

そこでそうした人たちを採用するのは1階の企業が中心となりますが、先述のように1階には100人採っても1年後には半分も残っていないような企業が珍しくないです。中には最初から長期雇用するつもりなんてなくて文字通り使い捨てにしている企業もあります。そういう会社に採用者一人に月数十万円をポンと渡してあげるわけですから、彼らは大喜びで採用活動&新陳代謝に精進することでしょう。

長期安定雇用を目指して導入したはずが、もともと流動性の高い一部の企業の新陳代謝をさらに刺激するというたいへん微妙なオチになるわけですね。

2. 天引きが増える

たとえば現在はフリーターで月16260円の国民年金保険料を払っている人は、正社員となって厚生年金に加入すれば企業負担分も合わせて約18%ほど徴収されるわけです(“企業負担分”となっていますが会社から見れば全部ひっくるめて人件費なので実質本人負担)。

「将来のために貯金をしているようなものだからそれでいいじゃないか」という考えもわかります。でも、こんなこと言ってる人達に、今の生活を切り詰めてねん出したお金を預けるのが本当に“貯金”になるんでしょうか。

実際、専門性が高く会社と交渉できる人材の中では、厚生年金から国民年金へ流出する動きがすでに起きています。そうした流れに逆行するメリットは筆者にはわかりません。

3. たいして安定しないしワークライフバランスは悪くなる

そして、一番重要なポイントはこれです。そもそも終身雇用なんてあるのかないのかわからないような1階の会社に“正社員”として雇わせる意味がどれほどあるのか、ということです。

筆者のお付き合いのある中小企業さんもそうですけど、そういう会社はあまりに人手不足なので新卒一括採用なんてそもそもなくて、年間通じて正社員募集中です。オッチャンはもちろんオバチャンや高齢者も活躍してるほどダイバーシティもお盛んです。働いてる側も雇ってる側も「終身雇用?なにそれ?」くらいのもんです。そういう会社に補助金付きで正規雇用させることにどれほどのメリットがあるのか、筆者には正直わかりませんね。

ただ、メリットは見えなくてもデメリットは確実にあります。上記のようにたとえ終身雇用という果実がなくとも、長時間残業などの滅私奉公は受け入れないといけません。なので確実にワークライフバランスは悪化することになります。

たとえば派遣社員はマネジメントを派遣元企業が行っているため一切ごまかしがききません。なので「派遣さんは定時で上がってもらって。残った仕事は社員が引き継いでね」といってサビ残させる会社は普通にあります。このサビ残させられる側にあえて入っていくわけです。

確かに、氷河期世代の非正規雇用比率は高いし、一方で正社員の働き手を欲しがっている企業があるのも事実です。一見するとミスマッチに見えるので、政府がお金を出してこのミスマッチを解消してあげればみんなハッピーになれるような気がしないでもありません。

でも、現状がそうなのにはちゃんと理由があり、正社員を増やしてもっと天引きを増やしたいからといった理由で流れを変えようとしても、働き手の満足度アップにはつながらないだろうというのが筆者のスタンスです。



以降、
氷河期世代が目指すべきは正社員より……
正社員への就職を促すためのセミナー(笑)内容を予想しよう







※詳細はメルマガにて(夜間飛行)








Q:「1年目でフレックス勤務って無理がありますよね?」
→A:「新人は育てるものか、自分で育つべきものかが問われます」



Q:「同世代の大きな政府志向が心配です……」
→A:「延々とバラマキとか金融政策の話ばかりする奴はだいたい無職なので無視しといていいです」






雇用ニュースの深層


やっぱり成長戦略の柱は労働市場流動化できまり!


独「うちはこれで上手くいきました」
仏「うちんとこも今それやろうと頑張ってます」
日「じゃあうちもうちも」




日本の終身雇用制度は世界からどう見られているか
 
はっきり言うと「労働者思いの制度」なんて思ってる人は一人もいなくて「なんでそんな非効率なこと続けてんの?バカなの?」くらいの目で見られてます、はい。





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・夜間飛行(金曜配信予定)









炎上で仕事干されかけた時に読む話

先日、フリーアナウンサーの長谷川豊氏の書いたブログ記事が大きな波紋を呼びました。

「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ!無理だと泣くならそのまま殺せ!今のシステムは日本を亡ぼすだけだ!!」
(リンク先:タイトルは修正済)

炎上はネット内だけにとどまらず、とうとう氏は地上波レギュラー8本すべて降板するところまで追い込まれています。

件の記事内容についてはいろいろな人が解説しているのでここでは触れませんけども、氏の炎上から地上波レギュラー全降板にいたるまでのプロセスはいろいろと衝撃的でしたね。炎上の規模、取引先への延焼のスピード等、近年まれにみる炎上ではないでしょうか。

なぜ、キー局を追われた男は、不死鳥のごとくよみがえり地上波8本レギュラーを手にするまでになったのか。そして、なぜ男はわが身を焼き尽くすまでに炎上してしまったのか。そのプロセスをひもとくことは、多くの人のキャリアデザインにとっても意義あることでしょう。

やっちゃいけないこと てんこ盛りの謝罪文

ここで氏の略歴を振り返ってみましょう。氏は2013年にフジテレビを退社し、フリーになりました。その経緯はよくわからない点が多いのですが、事実としては、キー局の第一線のアナウンサーであった氏が突然アナウンサー職を解任され、事務部門に異動させられた、そしてそれは事実上の戦力外通告にひとしく、実際、氏は自ら退職してフリーになったということです。要は、組織と何らかの対立があり、職を追われたということです。

さて、フリーになった後は鳴かず飛ばずになるアナの多い中、氏はここから急ブレイクし、他局のニュースキャスター職に抜擢されるまでになります。その理由ですが、毒にも薬にもならないことしか言わない飼い殺し局アナと違い、ざっくばらんに本音を披露したこと、普段出てこないような既存メディアの内部事情を初めて公にしたことなどが理由でしょう。そういうノリを“炎上芸”と呼ぶ人もいますが、筆者はそれはそれで立派な個性だと思いますね。正社員と違い、リスクをとっているからこそ、はっきりと自分の意見を言うことができたんでしょう。

ネットは、とかくテレビや新聞などの既存メディアに対して批判的です。メディアは自分たちの意見は取り上げない、メディアは自分たちを無視している……etc

そんなメディアの殻を突き破って彗星のごとく現れ「テレビじゃあみんな綺麗事しか言わないけれども、俺はこう考えてるんだぜ」と本音をばしっと言ってくれる氏は、ネットととても親和性の高い存在だったわけです。ブログやメルマガ、ストリーミング放送といったネット空間で得た存在感をロケット推進装置として、氏は地上波の世界へ再進出していくことになります。

でも、ネットと地上波の両方で存在感を発揮するキャリアパスというのは、非常に狭くて危なっかしいものです。たとえば2ちゃんに書いてあったことを実社会で嬉々として語ると相当痛い人と思われてしまいますが、そういうネタをネットと実社会の双方に説得力ある形で語れないとやっていけないわけです。これは相当難易度の高いスキルだと思います。

先行モデルとしては、元経産官僚の古賀さんがいい例です。“伏魔殿”たる霞が関から飛び出し報道ステーションレギュラー枠を勝ち取るまでにブレイクしたものの、バランス取りに苦労した挙句に報ステからリストラ、生放送で逆ギレした挙句に「政府とテレ朝上層部のせいでワタシはクビになります」とやらかした彼です。

今回の騒動のきっかけとなった長谷川氏の元記事を見るに、ぎりぎりでバランスとろうとしつつ超えちゃいけない側に踏み外してしまった感があります。たぶん氏もバランス取りに相当苦労したんではないでしょうか。

ただ、筆者はむしろ、氏が本当に下手をうったのはここからだと見ています。


「あくまで病院の先生方の忠告をことごとく無視し、それでも長年にわたって自堕落な生活をしてきて、その後に透析患者にまでなった患者に対して「のみ」話しているのです。よく読んでください。明確にそう書いてあります。
しかし、世の中には、歪んだ正義感を振りかざす、ネット上でしかうっぷんを晴らすことのできないバカが田舎の公衆便所の小バエのごとく、大量にいます。そいつらが、ここまで悪質なツイートや拡散をしてくるとまでは、さすがに予想の範囲外でした」
余りの低レベルな言葉狩りに戸惑っています(9月24日ブログ記事)より



「そして、ネット上のみんなも、ちょっと聞いてほしい。
乗っかって、僕を叩いて、
ご覧のように僕はテレビの仕事を失いました。

これでみんなに何か残ったか?
君らに何かプラスがあったか?

君らがネットにうっ憤を晴らすしかできなくなったのは、社会のせいじゃない。君ら自身の性格や努力不足のせいだ」

ありがとう(10月6日ブログ記事)より



ちょっとこんな光景を想像してみてください。キー局を追放されながらも、ネット民に担がれた神輿に乗って不死鳥のごとく地上波に舞い戻り、快進撃を続けている長谷川氏。そんな時、ふと担ぎ手の一人がこう言います。
「大将、さすがに今度のはちょっと下手うったんじゃあないですかい?」
「ネットの連中なんていうのはネットでしかうっぷん晴らしできない公衆便所の小バエみたいなのだからどうでもいいんだ。あ、公衆便所つってもお台場とかじゃなく田舎のやつね」

→神輿かついでたネット民、神輿を放り出して近くの草むらに逃げ散る。

放り出されたハッセー、呆然としつつ、とりあえず謝る。

「へん、ああ、悪かった悪かった。でもオイラは地上波8本も出てるエリートだからどうってことないさ。おまえらがネットしか居場所がないのはお前ら自身の自己責任だろ」

→草むらの中から石がいっぱい飛んでくる。


反・既存メディアのヒーローとして担ぎ上げられていたはずの氏が、いつのまにやら「やっぱ地上波は凄い。それに週8本出てるオレはもっと凄い」「ネットの奴らなんて他に居場所がないだけの連中」なんて言ったらダメでしょう。しかも二本目の記事タイトルが「ありがとう」って言うのが泣かせます。タイトルで持ち上げといてオチで大ダメージ狙ってるとしか思えません。これで一気に抗議者が増える一方、氏を支えてきたネット上の存在感が薄れることで既存メディア側も見切りをつける流れになったように見えます。

あ、書いててふと気づきましたが、なんだかクモの糸のカンダタみたいですね。




以降、
問題提起と謝罪、突っ張っていいのはどちらかだけ
「月100時間残業くらいで死ぬのは情けない」という長谷川センセイのケース



※詳細はメルマガにて(夜間飛行)








Q:「直属の上司に今の部署が合わないからと異動を希望するのは失礼でしょうか?」
A:「正直に相談して、それでダメなら……」



Q:「一年目社員の自殺を防ぐためには会社は何をすべきだったのでしょうか」
→A:「残業時間に配慮しつつ、仕事の位置づけや展望をしっかり話すことです」







雇用ニュースの深層

・ほっとくと消費税はずるずる30%台まで上がります

ほら言わんこっちゃない。さっそく与党の中から15%引き上げを求める声が出てきました。


・ブラックNPOはいいのか(笑)

まあ労働界隈では数年前から有名な話でしたが。




Q&Aも受付中、登録は以下から。

・夜間飛行(金曜配信予定)






過労死といかに向き合うべきか

電通の入社一年目の女子社員が月100時間超の長時間残業の末に自殺した件が労災認定されたというニュースが波紋を呼んでいる。事実関係はこれからいろいろ明らかになるだろうが、とりあえず重要な論点だけまとめておこう。


・なぜ長時間残業は防げないのか

これはいつも言っているように、長時間残業は終身雇用下で雇用調整を行うための手段なので無くすのは難しい(そもそも事実上残業時間に上限がない)。本気で無くそうと思えば「残業時間に月○○時間まで」といった上限を設けつつ解雇ルールも明文化し、

繁忙期も長時間残業で対応→繁忙期には新規採用で対応

という風に雇用調整手段を残業増減から採用・解雇に切り替えるしかない。そうなれば暇になったときに誰かがクビになるわけだが、今回のように誰かが死ぬよりは百万倍マシだろう。

ただ、こういう処方箋は何十年も前から提示されているのに、なかなか議論は進まない。現政権の働き方改革は長時間残業の抑制を掲げているので方向性は正しいが、左派や労組は“解雇”には絶対反対だから骨抜きになる可能性が高い。解雇規制を緩和せず残業に上限をつけるだけなら、単にサービス残業が増えるだけだろう。

結局のところ、有権者の多くが「過労死より解雇の方が百万倍マシ」と腹をくくらない限り、なかなか状況は変わらないだろう。

・大企業ほど人は死ぬ

上記のように長時間残業は終身雇用とセットなのでそれ自体はどこにでもある。ブラック企業の定義は「長時間残業などの滅私奉公をしても、将来的な見返りのない会社」である。電通はそれなりに将来的な見返りのある大企業なので、その意味でブラック企業とは言えない。

ここが重要なところで、将来的なリターンが期待できる大手企業ほど、従業員はリターンのために頑張ってしまう傾向がある。

本当のブラック企業なら月100時間超の残業が続けばすぐに従業員は辞めるので、何らかの対策をうって労働環境を改善するインセンティブがある。従業員が逃げ出して店舗運営が出来ず、大幅なオペレーションの見直しに追い込まれたすき家が好例だ。

電通はバブル以前から一貫して就職先として高い人気を誇る優良企業だ。恐らく若手ならどんなに無理をしてでも踏ん張りたいという思いがあって、それが組織として必要なメンテを行うインセンティブを薄めてきたのではないか。

実は電通は90年代にも2年目の若手社員が過労自殺するという事案を残しているのだが、残念ながらそれが何らかのマネジメントの向上につながったようには見えない。

こうした問題に際し「労基署の人員を増やせ」見たいなことを言う人もいるが、現状、月100時間だろうが150時間だろうが長時間残業そのものは合法なので意味がない。人事部門や管理職によるチェック体制もすべてのシグナルを把握できるかというと筆者は限界があると思う。

結局のところ最大のセーフティネットは「限界を感じたらいつでもさくっと転職できる流動的な労働市場」であって、新卒カード使って大企業入ったら石にかじりついてでも耐え抜かないと元が取れないという現状ではそうしたセーフティネットは機能せず、同種の悲劇は繰り返されるように思う。


・現状の枠組みの中でどう対処すべきか

とはいえやはり電通の対応にはかなり問題があるように思う。

終身雇用型組織は一種のムラ社会であり、正社員はムラ人としてムラの掟を全面的に受け入れる必要がある。オリンパスや東芝といった錚々たる大企業の長期に及ぶ不正隠避はそうした掟をムラ人らが受け入れ続けた典型だ。

ただ、そうしたムラの掟と一般社会の常識との間に大きなギャップがあることは企業も百も承知なので、免疫のない若手にはそれなりの配慮がなされるのが普通だ。具体的にいえば、一般的な企業なら、入社3年以内の若手には100時間を超えるような残業は通常させないし、転勤なども命じない。

そういう中で、今回のように一年目の社員に100時間を超える残業をさせていた、管理職も放置していた(ようにSNSからは判断できる)というのは、筆者にはかなり奇異に映る。同社が現状の枠組みの中で対策を取るなら、取り急ぎ入社3年以内の若手は業務負荷を見直し残業は月80時間未満に抑制する、人事部門が全社横断的に勤務状況を厳しくチェックするなどの対応を取るべきだろう。少なくとも91年以降にそうした対応を取っていれば、今回の件は起きなかったに違いない。

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「10年後失業」に備えるためにいま読んでおきたい話


それゆけ!連合ユニオンズ[上]


若者を殺すのは誰か?


7割は課長にさえなれません


世代間格差ってなんだ


たった1%の賃下げが99%を幸せにする


3年で辞めた若者はどこへ行ったのか―アウトサイダーの時代


若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来
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城繁幸
コンサルタント及び執筆。 仕事紹介と日々の雑感。 個別の連絡は以下まで。
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