ちょっと意外だったのだが、まだ「体育会優遇」なんて会社が結構あるらしい。
一方で、こういうニュースもあるわけで、どちらが正しいのか。

結論から言うと、どっちも正しい。要するに混在しているわけだ。
(とはいえ、体育会優遇が減少傾向にあるのは間違いないが)

では混在する理由だが、それは企業の人事戦略による違いから生じている。
凄く大雑把に言って、従来型のビジネスモデルでは既に限界だと認識している業種
では、人材に自律的な素養を求めており、何らかの専門性なり能力なりを求めている。
まあこの部分はまだ過渡期で各社も学生も試行錯誤といった感じではあるが、
コミュニケーション能力が必ず素質上位に上げられる点からすると、やはりサービス化
によって付加価値を引き上げることを各社ともに意識しているのだろう。
新興国企業との競争の激しい業種はたいていこっちで、声の大きい体育会系よりも、
向上心が強く勉強熱心で国際感覚に優れた若者を好む(当然、日本人とは限らない)。

一方、まだ過去の成功体験で飯が食えているor食えてないけど上がとろいから
気づいていない企業は、あいも変わらず前例踏襲型の人材を好む。
「従順である」「辞めない」「我慢強い」等、要するに滅私奉公への免疫が強いと
いうことで、そういったカルチャーでは体育会系は評価される余地がある。
天下り先の多い商社、長期雇用の価値を信じているハードのメーカーなどがそうだ。

と言っても、具体的にイメージできないよという人もいるだろう。
具体的に言うと、「自社製品が売れません」という課題に対し、売れない理由を
考えたり、需要を喚起するような新製品を開発したりするのが前者だ。

それに対し、気合で売るのが後者だと思えばいい。
新興国と競合しデフレの影響をもろにかぶるから、コストカット圧力は凄まじい。
そういうのを残業とか根性でカバーする戦略だと考えると、そういった企業が体育会系
を重視したがるのは合理的かもしれない。

価値観なので、どっちが正しいという問題ではない。
20年くらい経ってみれば、価値観も業務も個々が独立したようなスマート企業より、
意外と全員でがっちりスクラム組んでバリバリ残業してたようなどん臭い会社が
生き残っているかもしれない。

ただ、一つだけ留意すべきなのは、体育会重視というのは要するに社風がごりごりの
年功序列であるということだ。
「うちは部活動みたいな会社だから」
と、わざわざ人事が宣言しているわけだから、そういうもんだと覚悟してから
行くといい。短期的なやりがいのようなものは期待できないし、いつも言っている
ように、長期雇用はいまやそれ自体が大きなリスクだということは認識しておく
べきだろう。

個人的には、いくら安定身分だろうが、残業時間が査定項目に入っていたり、
「大卒だったら用がなくても21時まで席で待機」なんて言われる会社は
もう勘弁願いたい。

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