いろいろな数値が低迷する日本だが、有給休暇取得率もその一つだ。他国が90%以上が当たり前の中、
ずっと5割近辺をうろうろしているから、もはや日本名物といっていいだろう。

さて、このたび政府が新成長戦略の一環として、この有給取得率の引き上げを目指すらしい。
既得権とぶつからず、労組にとってマイナスにならない政策に対する民主党のフットワークの軽さには
驚くほかない。

ただ、残念ながら、目標の達成は困難だろう。
問題の本質ははっきりしていて、業務の切り分けが曖昧な職能給制度が原因だ。
このシステムだと、個人レベルで「効率的にちゃっちゃっと終わらせよう」というインセンティブが
絶望的に弱い。
下手をすると「バカ野郎、やる気あるのか!」と言われてしまう(実際、僕は言われたことがある)。
いつまでたっても「周囲が忙しそうだから」と皆でけん制し合うカルチャーは残るだろう。
こうなると、逆に仕事を作る傾向を促進するから、これもホワイトカラーの生産性の低さの一因だ。

対策は言うまでもない。「業務の仕分け」を行い、担当業務を明確化して裁量も与えればよい。
当然、賃金は横並びや時給ではなく、それぞれの結果に対して賃金を支払うのがのぞましい。
日本以外の国では普通にやっている話だ。
そして、民主党には絶対に実行できない改革でもある。
むしろ、生産性の低さを労働時間でカバーする方向にずるずる進んでいるので、今後さらに有給は
取りにくくなるかもしれない。

とはいえ、とりあえず的な対症療法もあるにはある。
上場企業については、何らかの形での取得率の公表を義務付けたらいい。
こういう横並びデータでの落第を人事部は何より嫌うので、相当本気になって取得率を引き上げにかかる
と思われる。何より、「全社平均の取得率5日!」なんて公表されたらメチャクチャかっこ悪いし、
学生もこなくなるはず。大手が率先して休ませるようになれば、中小にも多少の影響はあるだろう。
まあ、お上にあれこれ指図されないと休暇一つろくに取れない
という状況は、すごくカッコ悪いと思うけど。

そもそも、本来は権利であるはずの有給の取得率が政策目標になること自体がおかしいのだ。

それにしても、「2020年に7割」というのも悠長な話である。
自民も民主もそのころには存在してないんじゃないか。
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