天下り廃止は、民主党から共産党まですべての政党が掲げる目標だ。
有権者の支持、(官僚以外の)実務者層の支持もある。ある意味、これほど争点のない
政策目標も無いはずだ。

にもかかわらず、なぜ天下りは90年代から一向に無くならないのか。
それは「天下り廃止=日本型雇用の完全否定」となるためだ。
入省年次による職能給を
全廃して、職務給ベースに切り替えつつ、各ポストは流動化して抜擢・降格を実施する。
専門的なポストについては大学、シンクタンク等からのヘッドハンティングも進め、人材の
最適化を図る。
要するに、僕が普段言っている雇用流動化を霞が関の中でまずやってみてね、ということだ。
こうなると途端にハードルは跳ね上がってしまう。
これが、天下り廃止をやるやると言いつつ誰も出来ない理由である。

ただし、天下りを辞めさせるだけでいいならもっと簡単な方法はあって、出世の芽の無くなった
官僚をラインから外し、参事でも担当部長でも何でもいいから適当な肩書を与えて定年まで
囲っておけばよい。給料は、最終到達ポスト+αくらいなら文句も出ないだろう。

もちろんその分の人件費は増えるわけだが、わけのわからない独法を増やされて、わけの
わからないう予算をばしばし付けられるよりは、そっちの方がはるかに安上がりなはずである。
民間大手だって似たようなことはやっているのだから、個人的にはそれくらいOKかなと思って
いる。

そして予想通りその路線でお茶を濁そうとした民主党だが、なんと人事院にダメだしされた
らしい(笑)
「仕事も無いのに一千万以上も払えるか」というロジックだそうだ。
やっぱり窓際の中高年官僚なんて仕事してないって認めてるわけですね。
さすが人事院。容赦ない。

まあこのご時世、国民が高給での飼い殺しを認めるかというと微妙だし、たぶんみんなの党
あたりは格好の攻撃材料と見なして批判キャンペーンを展開するはず。
結局、日本型雇用という問題の本丸にがっぷりよつで向き合わない限り、天下りなんて無く
せないということだ。そしてそれは民主党には絶対に不可能なことだろう。
(みんなの党に出来るかどうかも怪しいが)

天下り根絶するためにはとりあえず捨扶持の人件費がいるのだけど、「人件費2割削減!」
とマニフェストに書いてしまっている民主党。
一般公務員の給料をじわじわ削る一方で、高給取りの窓際族なんて増やせるわけがない人事院。
そして、職員は残業地獄なのに日本型雇用死守なんて白書書いちゃった厚労省。
霞が関にはいろいろなジレンマが満ち満ちている。


スポンサーリンク