ブロゴスで非常に興味深い記事を見つけたので紹介したい。
というか、本ブログの読者にはお馴染みの“すくらむ”である。

「またか」と思わず、一読をお勧めする。
というのも、ここには戦後日本の縮図と言ってもいい構図がくっきりとあらわれているからだ。

本文読むのがめんどくさいという人のためにダイジェストを書いておこう。
「消費税引き上げは弱者に厳しいからダメ、でも公務員の賃下げも景気が悪くなるからダメ。
公務員と民間労働者は手を取り合って一緒に闘おう!」
(ていうか誰と?)
いや、ほんと、これだけですよ。

毎年一兆円ずつ増え続ける社会保障費や一千兆円の借金をどうするかとか、
成長戦略はどうあるべきかとか、言及ゼロ。
「オレはもう持ってるから、無い奴らは自分でなんとかしろ」
的な清々しいまでに純度100%の既得権層の発想ですね。
きっと、財源は勝手にわいてくると思ってるんでしょう、まあ実際今まではそうだったけど。

もちろん「官の賃下げしたら民間も賃下げされる」という文字に起こすのも馬鹿らしいロジック
を信じる大衆など皆無に等しく、コメント欄は毎度のように炎上中で、まあそういう意味では
“すくらむ”は行革をプッシュしているようなものだ。
個人的には賞状上げたっていいくらいだと思っている。

興味深いのは、この記事上でのやり取りだ。

職業左翼が現実無視のお札を売りつけ、それを公務員労組が涙を流して伏し拝む。
そして怒った大衆がコメント欄で荒れ狂う。これはそのまま戦後日本の縮図と言っていい。

以前も書いたように、共産党や社会党といった既存左派の支持基盤は、実は低所得者層
ではなく、インフラ系企業の労組や公務員労組といった、むしろ中流以上の労働者が中心だった。

市場を全否定するロジックは、結局のところ競争の無い独占事業の労組でしか
相手にされないから、そうなるのも当然だろう。
そして、彼らの“階級闘争ごっこ”のコストを負担させられる庶民が怒るのもまた、当然だろう。

余談だが、最近とかく話題の森永卓郎や香山リカといった感情的アンチ橋下論者も、
やはりこの手のお札の売人である。恐らく、橋下氏はそれを理解した上であえて名指しして
いるのだろう。
あまり注目されることはないけれども、橋下人気の裏には「敵の不人気」という要素
大きく貢献していると思われる。

それにしても、上記の記事には、どこにも弱者の視点はない。
非正規雇用労働者や中小下請け企業従業員や母子家庭や失業者をカバーできる
持続可能な社会保障制度をどうやって作るのか、といった点はスルーして、ただひたすら
いもしない幻の金持ちに拳を振り上げるだけだ。
上記のような弱者は、終身雇用という民営化された社会保障から漏れた人達であり、それを
ケアしようと考えるなら終身雇用を解体するしかない。
でも、それではお札の買い手が困るから、もちろん売り手の側もそんなことは口にはしない。

この手の面々が長い間「弱者の代表」としてメディアで論陣を張ってきたのだから、そりゃ
この国が自殺大国にもなるはずだ。メディアもいい加減、この手の“お札の売人”を並べて
講釈させるのは辞めたらどうか。


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