先日、NEC社員の本社ビルでの自殺が一部週刊誌で報道された。
もちろん、全社あげて一大リストラを実施中の同社の状況と絡めての報道だ。
読んだ人はきっと「NECほどの大企業でもそんなに大変なのか」と驚いたに違いない。

ただ、日本は14年連続で年3万人が自ら命を絶つ自殺大国だ。実際、大企業といえども
自殺はけして珍しいものではない。大企業正社員という雇用の二階部分に位置し、
今のところ安定した生活が保証されているにもかかわらず、彼らはなぜ命を絶つのか。

なかなかメディアも踏み込まない部分ではあるが、今回はあえて考察してみよう。
キャリアを考える上でも、自殺という最大のリスクについて知っておくことは有意義であるはずだ。

・大企業の自殺が普通は報じられないわけ

繰り返すが、安定しているはずの大企業や官庁でも自殺はそれほど珍しくはない。
国家公務員について言えば、10万人当たりの自殺率は1988年に13.5人だったものが
2011年には22.7人にまで上昇している。自殺と言うと失業等の経済的事情が
理由の上位に来るが、こと在職中の案件については別のアングルで考察すべきだろう。
筆者の大学の同期にも(わかっているだけで)複数いるし、彼らは別に就職活動や
転職で挫折したわけではなく、いずれも日本を代表する大組織で就業していた。

ただ、一般的にオフィスで自殺というケースは非常に稀である。
というのも、会社側としては会社で死なれては非常に困るので、あらかじめ
「死にそうなポイント」は徹底して排除しておくためだ。5階以上のオフィスではまず屋上や
テラスには自由には出入りできないように施錠してあるはずだし、屋上に出られたとしても
周囲にフェンスを張り巡らせているはず。
だから、自殺そのものは、従業員の自宅や通勤途上で行われることになる。

ちなみに、彼らが追い込まれてしまう理由だが、これも何か明確なトレンドが第三者から
見て取れるわけではなくて、人によって千差万別だ。
従業員の自殺と言うと「残業やノルマで追い込まれた」なんて先入観を持つ人が多いと
思うが、実際にはそういうケースは非常に稀で、少なくとも筆者はこれまで一度も
直接見聞きしたことはない。むしろ、ほとんどのケースは、ごくごく平均的な就労状態で、
特にこれといった問題の無い人が犠牲となっている。

筆者は、安易に過労やリストラといった特定の状況に結びつけてこの問題を語らないこと
にしているが、その理由はこれだ。一部の超ブラック企業でそういうことはあるのだろうが
それでもって自殺問題を語ってしまえば、むしろ問題の本質をぼかしてしまうことになりかねない。

実際、筆者はこれまで何度も「従業員の自殺問題」について取材を受けたことがあるが、
聞き手は明らかに
「月150時間以上残業させられて身も心もボロボロになった末に自殺した強欲資本主義の犠牲者」
を求めていた。で、そんなのは(自分も他の人事部からも)聞いたことないですよというと、
肩を落として帰っていったものだ。

ワタミの過労自殺があれだけ報じられたのは、あれが珍しいケースだからで、NECの件が
クローズアップされたのは、リストラ中というタイミングと本社ビルというシチュエーションが
マッチしたからだろう。メディアは常に分かりやすいアングルを求めているのだ。

・自殺と心不全の微妙な関係
・幸福度=現在の幸福度+希望


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