解雇規制の緩和に関する議論が盛り上がりを見せている。
なかでも、経団連や連合を巻き込む動きが出ている点は要注目だろう。
この両者抜きで改革を進めるのは非常にハードルが高く、逆にこの段階で両者の
名前が出てくることは、政府もそれなりに身のある落とし所を探っているということだ。

今回の有識者会議をベースに、いよいよ労働市場の流動化が実現するのか、
それとも過去のケース同様、及び腰になった政治が提言自体を聞き流すかは、
現段階ではまだ何とも言えない。ただ、以前から言っているように、日本型雇用
そのものはあと10年もたないので、国がソフトランディングさせようがずるずる
形骸化しようが、流動化自体は不可避である。その時のための備えは必須だろう。

というわけで今回は、解雇規制がきちんと制度的に緩和されたケースを
想像してみよう。いったい、労働市場に何が起こるのだろうか?

・第一ステップ 採用の多様化が進む

ある朝目覚めると、職場でソリティアばかりやっていた担当部長がクビになり、
30歳の自分の給料が倍になっていた……ひょっとすると、読者の中には、
そういう事態を待ち望んでいる人もいるかもしれない。

でも、残念ながら金銭解雇ルールが出来たところで、ほとんどの企業では
従来と代わり映えしない日々が当面は続くはずだ。2、30代の給料は相変わらず
もっさり昇給するだろうし、ソリティア担当部長は相変わらずソリティアの腕に
磨きをかけ続けるだろう。

理由は簡単。“金銭解雇”という真剣を与えられても、たいがいの経営陣は
その振り方を知らないから。ゴーンさんがやった日産大リストラ計画を作ったのが
実は日産生え抜きの役員たちだったのと同様、問題は実行力の有無なのだ。
サラリーマン社長と取り巻き管理部門は、しばらくは解雇という刀をもてあそびつつ、
眺めているだけだろう(シャープやパナソニックのように追い込まれた企業は
すぐに刀を振るい始めるかもしれないが)。

とはいえ、すぐにあらわれてくる変化もある。それは採用枠の拡大だ。これまで人事は
新卒を採る場合「こいつは40年雇い続けるだけの価値があるか」と悩み続けてきた。
途中でいくばくかのお金を払うことで40年辛抱しなくても済むなら、ずいぶんと
採用担当は冒険してくれるだろうし、枠自体も増えるだろう。
というわけで、とりあえず今の学生は、流動化の恩恵をもっとも早く実感できるだろう。

同じことは、中途採用でも言える。
「なぜ、前職の大手を辞めてるんだろう」とか「職歴にブランクが多いな」
と、会えば魅力的だが少し引っかかるところがある求職者に対しても、思い切って
門戸を開く企業が増えるだろう。失業者やメインストリームを外れ気味の求職者に
とっても、流動化はグッドニュースだ。

以降、
・第二ステップ “忍耐”ではなく“自己主張”が美徳となる
・第三ステップ 新卒カードの有難味が薄れる
・筆者の耳に入っている「落とし所」


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Q:「安定していて出会いがあってもまったく結婚に興味の無い男をどう思いますか?」
→A:「今、三十路男は空前の売り手市場なんです」


+雇用ニュースの深層


国際教養大が企業に評価されるワケ

たまに「大学の授業内容なんて社会で使わないじゃないですか」
と聞いてくる人がいるが、大学で学んだことがそのまま活かせる職場なんて
ほとんどゼロだ。では、企業はどんなアングルで大学教育を見ているのだろう。

ソニーの追い出し部屋が本当の地獄であるワケ

「さすがソニー、追い出し部屋と言っても手厚いよね」
「私ならそんな追い出し部屋、むしろ憧れます」
筆者のもとにもそんな声がちらほら届いたが、現実には全く逆だ。
筆者はこれほど容赦ない追い込みを見たことがない。
ソニー旧本社8階には、今ごろ無明地獄が出現していることだろう。


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