最近、しばしば「企業内における明治OBの評価が高い」という話を耳にします。
これは筆者自身、以前から感じていたことです。(きっと多くの読者はオチとして期待
しているでしょうが)別に明治の学生は滅私奉公向きとかド根性があるとかいう気は
ありません。

もちろん、全体の平均で見れば全然大したことないはずです。でも、正社員として採用
された人間だけを見れば、明治のOBには東大OBにはない強みがあるのも事実です。
人材というものを考える上でよいケーススタディになるので、今回はこの件について
まとめたいと思います。

実は「能力的に仕事が出来ない人」なんていない

実は「能力的に仕事ができない人というのは、普通の会社には存在しない」というのが
筆者の意見です。もちろん相対的に出来ない人はいますが、企業として後悔するほど
低生産性の人は、本来、絶対に採用するはずがないからです。少なくとも採用人数に
対して3倍以上の母集団のいる企業なら、ポテンシャル的には申し分ない人材ばかりを
採用しているはずです。

でも、実際の職場には仕事が出来ない人が大勢います。ソニーのように「もう仕事しなくて
いいから転職活動して一日でも早く出てってください」と特定の社員に通告しているケース
をみると、もはやまったく戦力になっていない人材が相当数いることがよくわかります。

なぜ優秀な人材を選んで採っているはずなのに、てんで仕事が出来ない人がリアルに
存在するのか?それは「仕事が出来ない人は社内で後から作られているから」です。

重要なのは能力よりモチベーション

誰でも、入社当時はモチベーションのHPが100ポイントあるとします。50を切るとあまり
やる気の見られないイエローゾーン、20を切ると最低限言われたことしかやらない
レッドゾーンだとします。

ここで、東大卒のA氏をモデルとして想定しましょう。A氏は最初の査定で悪い評価を受け
モチベーションは5ポイント下がりました。
100-5=95
ここまではどこの国でもどんな組織でも普通の話です。絶対的に正しい評価なんてある
わけありませんから。ただし、日本の職能給システムの場合、査定成績が翌春の昇給や
昇格にも反映されるのが一般的です。会社によっては定年までずっと基本給の差として
残ることもあります。
例:
 昇給額:A評価昇給5000円、B評価3000円、C評価500円
 ボーナス:基本給×査定成績ごとの係数
 昇格基準:昇格直前の4期分の査定成績

つまり、A氏のモチベーションは、翌年の昇給や昇格選抜のたびに、いや、下手をすると
(その都度、金額の差を思い知らされるわけですから)毎月の給与支給のたびにじりじり
とコンマ数ポイントくらいは下がり続けるわけです。

仮に年間5ポイントのモチベーション低下影響が10年間続いたとすると、
95-5*10=45
10年後にはA氏は立派なイエローゾーン人材となっていることでしょう。

これが、組織内で仕事の出来ない人間が生み出されるプロセスです。最先端の研究職
技術職などを除く職種では、実は能力の格差なんてたかが知れていて、パフォーマンス
に決定的な差をつけるのはモチベーションです。組織で仕事が出来ない人のほとんどは、
何らかのプロセスでモチベーションをロストし続けた結果、自立的に動くことが出来なく
なった人材と言えるでしょう。

よく「2:6:2」の法則と言われることがあります。出来る2割、普通の6割、出来ない2割が
組織を構成するという話で(多少数字にバリエーションはありますが)これ自体はどこの組織
でもみられる傾向です。

筆者の考える「活力のある良い組織」というのは、この2:6:2の各割合が比較的流動的で、
特に下位2割があまり固定的でない組織です。上の2割はだいたいメンツが決まっている
ものですが、それより下は熾烈なレギュラー争いをしているような組織ほど、組織全体の
パフォーマンスも高いものです。その意味では、年功の積み上げが長く尾を引き、
モチベーションを喪失した人材が下位に固定化する傾向の強い終身雇用制度には、
いろいろと問題があるように思います。

下位をバンバン首にするまではいかなくても、組織としては出来るだけ年功が尾を引かず、
いつでもリベンジ可能な流動的システムに変えるべきでしょう。


以降、
「明治大学の学生が使える」ホントの理由
負の潮流に流されないテクニック

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Q:「外国人トップの指示通りリストラしても問題ないでしょうか?」
→A:「メチャクチャ問題ありますね」





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