今週のメルマガの前半部の紹介です。
先日、以下のような質問メールをいただきました。

城さん、こんにちは。いつもメルマガありがとうございます。

先日、「未来工業」の山田昭男さんが亡くなられたというニュースなのですが...

その「未来工業」の経営方針として
・完全終身雇用と年功序列制度を採用
・有給と休みを合わせると約、年の半分
・就業時間7時間15分、残業ノルマ無し

と会社員なら夢のような福利厚生ですし、成果主義には断固反対の姿勢でした。

他の会社が出来てないことが、なぜ未来工業だけに可能なのか?
もしほかの会社も同じようにしたら、日本はどう変わっていくのか?

をお答えいただけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。



人事制度というものを考えるうえでなかなかよい教材だと思えるので、今回は冒頭コラムで正面から切り込んでみたいと思います。実は、未来工業的な「人に優しい経営」自体は、いくつかの条件を満たしている会社ならそれほど難しいものではありません。今回は、以下のような前提条件を満たす「ムライ工業」という架空企業をサンプルに、実際に「人に優しい会社」なるものを作ってみましょう。

・一定の市場競争力のある製造業である
・経営状態は安定的に推移している
・技術環境の変化は緩やかで、長期雇用に今でも十分なメリットがある

残業をゼロにする方法

残業をゼロにするための方法ははっきりしています。それは「全員で定時で終わらせるべく頑張ること」です。そんなの普通じゃないかと思う人もいるでしょうが、筆者の経験上、それが出来ている職場はほとんどありません。

というのも、10人の従業員がいれば、そのうち2、3人は必ず「だらだら働いて残業代を稼ごう」とか「いっぱい残業する方が偉いにきまっている」と考える困った人がいて、そういう人たちに足を引っ張られるからです。こういう人たちも含めて、全員に「定時で終わらせるぞえいえいおー!」と頑張らせることは、通常のマネジメントでは至難の業ですね。

ただし、そういう人たちも含めてオートマチックに「定時で終わらせるぞえいえいおー」と一致団結させる簡単な方法があります。それは「査定は年功序列で、原則として残業は認めない」というルールを作ることです。

なぜ年功序列で残業を認めないと皆で一致団結できるのか。個人のインセンティブを考えればとてもシンプルな話です。分かりやすくするために、ムライ興行には以下の3人の従業員が働いているとします。

Aさん:常にバリバリ働き、出世も意識している職場のけん引役
Bさん:真面目だけど本音では仕事はぼちぼちでもいいかなと考えているワークライフバランス重視派
Cさん:前向きなモチベーションは既に失っていて、どうすれば楽を出来るかばかり考えている手抜き派

Aさんは優秀ですが、優秀すぎて長時間残業が慢性化しており「長く働いてこそ一人前」的な価値観を抱いています。Bさんは出来ればプライヴェートを重視したいけれども、そんなAさんの空気に引きずられて一定の残業はこなすタイプ。Cさんは最初から人事評価なんか諦めて、生活費は残業代で稼ぐというスタンスです。当然、具体的な成果なんてしったこっちゃありません。

この状況で「人事評価は年功序列、残業はゼロ」を適用するとどうなるでしょうか。
残業は認めない=残業代も出ないわけで、まず「ダラダラ残業しよう」というインセンティブがBさんやCさんの間から消滅します。くわえて、年功序列で評価される以上「いっぱい残業して良い査定成績をゲットしよう」というAさんのインセンティブも無くなります。

かわって、彼らの中には「どうせ残業代が無いんだったら、一生懸命頑張って定時で帰れるよう頑張ろう」という新たなインセンティブが、AさんからCさんまで共通して湧いてくるわけですね。従来はてんでバラバラだったインセンティブが見事に定時上りという目標で一致するわけです。

これこそ残業ゼロを実現するエンジンですね。ついでに言うと、これまで後ろ向きだったCさんのような従業員のモチベーションも前向きなものになるはずです。なぜなら処遇は年功序列で決まる以上、腐る理由はないからです。流動性の低い日本企業においては、優秀層よりもこうした中~下のグループのモチベーションをいかに保つかが重要だったりします。

もちろん、せっかくかかったエンジンのスイッチを切らないためには、浮いた残業代は基本給に上乗せして支給する必要があります。

当たり前ですが、他者より高い利益率を維持しつつ、全従業員の終身雇用を維持するためには、全員でそうとうシビアに頑張らないといけません。「みんな終身雇用で年功序列、残業ゼロ」と聞くとなんだか長野の方にある牧歌的な会社を想像する人も多いようですが、実際はそんじょそこらの大企業なんかより厳しく無駄の許されない社風だと聞きます。昼間はネットサーフィンしてたりソリティアやってる社員なんていたら、それこそ村八分の世界でしょう。



以降、
有給を100%消化させつつ、年功序列も維持する方法
年功序列でもなく成果主義にもなれない日本企業の現実
未来工業の経営スタイルの本質とは
筆者が“未来工業”で働きたいと思わないワケ



※詳細はメルマガにて(ビジスパ夜間飛行BLOGOS







Q:「残業代はきっちり申告するべきものなのでしょうか?」
→A:「とりあえず残業分は申告してください。そこから差っ引くか、賞与から引くかは会社が決めることです」



Q:「中小企業経営者ですが、新人が底辺過ぎて泣けてきます」
→A:「大卒22歳男子的な昭和的価値観を捨てれば採るべき人材は見えてきます」







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中小企業で働く大多数の労働者にとっては解雇されにくくなる規制強化の話なのに「まずはセーフティネットの整備が先だ」とか「労働者の権利を守れ」といって経営者と連合がタッグを組んで反対キャンペーンを展開するという実に日本的な光景が現出しています。



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病院が受け入れづらい人間は大学としても受け入れづらいということです。







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