今週のメルマガの前半部の紹介です。
先日、こんな記事が話題となりました。

35歳で商社係長、子ども2人にマイホーム――「野原ひろし」にはなれなかった今の30代たち

野原ひろし氏というのは「クレヨンしんちゃん」の父親ですね。92年にスタートしたアニメは誰でも一度は目にしたことがあるでしょう。あの中に登場する、どこからどう見ても普通のサラリーマンのオジサンのことです。

その彼が、冷静に考えると35歳で商社係長、郊外に庭付き一戸建てとマイカーを所有し、週に二日の休日もちゃんと確保、子供二人と専業主婦という家族構成で、実は“勝ち組”なんじゃないかということで話題となっているわけです。

なぜ平凡だった野原ひろしは勝ち組になれたのか。そして野原ひろしになれなかった30代はこれからどのように生きていくべきなのか。いい機会なのでまとめておきましょう。


あまりパットしないけど人当たりのよいオジサンが地盤沈下で勝ち組に


統計を見ても男性サラリーマンの平均年収は550万弱なので、年収650万円とされる野原氏は十分人並み以上に貰っていると言っていいでしょう。

ちなみに、筆者が30代のころを振り返っても、大学の同期で「不動産、役付き、欲しい分だけの家族構成」を全部満たしている人間は少数派でしたね。「独身でヒラ」なんてのはザラで、管理職ポストに就いていても共働きで賃貸暮らし、子どもは一人で打ち止めなんていうケースが多かった気がします。

このギャップはどこから生じたのか。一言でいえば、企業に余裕がなくなったということです。クレしんが連載スタートしたのは90年、平成バブルが崩壊するかしないかの頃ですから、企業の年功序列型報酬システムがまだバリバリに機能していた時代です。そこそこの大学を出て普通の会社に正社員として就職し20年近く働けば、氏のような処遇は当たり前の時代でした。

でもバブル崩壊後に企業が組織のスリム化を図り昇給昇格をゴリゴリ数り始めた90年代後半以降、この報酬システムは崩壊し「7割は課長にさえなれません」という時代が到来したわけです。

こうした“野原ひろし現象”は他にもいろいろありますね。たとえば80年代には窓際に追いやられてぼんやり新聞読んだりしているオジサン管理職のことを“窓際部長”なんて揶揄する言葉が流行りましたが、そもそも仕事ないのに部長ポスト貰ってる時点で21世紀基準からするとありえないわけです。今だと無役のまま追い出し部屋に放り込まれ、ぼーっと新聞なんか広げていようものなら待ってましたとばかりに懲戒処分でしょう。窓際部長ならぬ“追い出し部屋オジサン”というわけです。

野原ひろしにせよ窓際部長にせよ、昔はあんまりぱっとしなかったはずのオジサンが、社会が地盤沈下する中で相対的にマシなポジションに浮上したということですね。

とはいえ、筆者はそれを衰退とは思っていません。というか、むしろ日本社会は健全に進化しているという風に見ています。地盤沈下したのは高度成長期以降に形作られた一つの生き方であって、現実にはもっと多様な価値観が広がりを見せているからですね。


以降、
出世してマイホーム買わなきゃ一人前になれなかった時代の終焉
21世紀の野原ひろしになる方法




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Q:「大手からオーナー企業に転職してビックリしてます」
→A:「日本の労働市場は2階建てなのです」



Q:「最低賃金を引き上げるべきという経営者の意図は何でしょう?」
→A:「いい若いもんが楽して小銭稼いでファストフードなんか食って満足してるんじゃねえよというおせっかいです」




雇用ニュースの深層

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東北大学で非正規教職員3200名以上に雇止め通告

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不当解雇の金銭解決、10年勤務で月収の8倍

厚労省内の有識者会議で、解雇無効とされた場合の解決金が「10年勤務で8か月分」なる分析が出されたそうです。ということは8か月分の補償金を払うことで解雇が可能となる金銭解雇ルールの導入に道筋がつくことにもなります。



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